
空調設備工事業務
株式会社TECサービス
(2024年4月加入)
代表取締役社長
寺脇 貴浩さん

消防設備点検・工事業務
株式会社関東消防機材
(2013年4月加入)
代表取締役社長
服部 浩二さん

消防設備点検・工事業務
共和防災設備株式会社
(2000年1月加入)
代表取締役社長
平本 良一さん
企業にとってM&Aは、ただの経営戦略ではなく“人と人の信頼”をつなぐ決断でもあります。
ハリマビステムグループは、互いの個性を尊重しながら、変化を恐れず挑戦を続けてきました。
本記事では、グループ各社のトップが語る「M&Aの裏側」と「信頼が生んだシナジー」の軌跡をお届けします。
INDEX
M&Aに対する不安と反発、その先にあった信頼
2000年代初頭、ハリマビステムは初めて外部企業をグループに迎え入れました。
その始まりは、共和防災設備株式会社の先代社長の体調不良に伴い「社員の雇用を守りたい」という想いからでした。当時から多くの仕事の実績のあるハリマビステムに相談を持ちかけた結果、当時の鴻社長(現・会長)が申し出を受け入れ、2000年1月にハリマグループの一員となります。
新社長はハリマの役員の方で、不安はありました。当時は“これからどうなるのだろう”という思いでしたね。
そう振り返るのは、共和防災設備株式会社の平本社長。
当時、社員の多くは40代。新しい環境への戸惑いがある一方で、「ハリマビステムの一部にはならない」「自分たちらしさを守りたい」という気概が生まれていきました。
一方で、株式会社関東消防機材の服部社長は、自社のM&Aについてこう振り返ります。
当社でも、M&Aに対しての反発はありました。“吸収されたくない、逆にハリマを支える存在になるんだ”と奮起する社員も多かった。あの時の熱は、今につながる大きな力になっています。今になって思えば、M&Aを「悲観」で捉えるか、「発奮材料」にするかが分かれ道だったのかもしれません。
混乱の中で着任した新社長たちは、社員の意見を尊重しながらも、着実に信頼を築いていきました。
「難しい調整はハリマの役員が担い、私たちは現場に集中できた。あの経験が信頼関係の第一歩でした」と平本社長。
協働の姿勢が社員の不安を次第に和らげ、やがて「一緒に未来をつくる」関係へと変わっていきました。
縛らない経営で生まれたシナジーと成長

ハリマビステムグループにおけるM&Aは、単なる事業拡大ではありません。
自社の「業績の安定化」と「社員の待遇改善」を目的として掲げていた株式会社TECサービスの寺脇社長は、次のように語ります。
二次請けから一次請けへとステップアップし、5年・10年先を見据えて生産性と待遇を向上させる――そのためのM&Aでした。結果として収益も待遇も改善し、社員にも納得してもらえたと思います。
当初は「大企業のルールが押し寄せてくるのでは」と緊張もあったといいます。
しかし、ハリマビステムの役員たちは各社のカラーを尊重し、縛らない経営姿勢を貫きました。
服部社長もこのように振り返ります。
ハリマの役員は、軌道修正はしても縛ることはありません。“関東消防はこれでいいんだよ”と言ってもらえたのが印象的でした。
こうして、自主性を重んじる経営のもと、各社はそれぞれの強みを活かしながら、グループ全体の成長に貢献していきました。
「管理」から「協働」へ――グループの絆が深まる
M&A直後は、グループとはいえ各社が独立して動いていました。
大きな転機となったのは2022年。ハリマビステム経営企画部の主導で、グループ会社同士の連携を強化する取り組みがスタートします。
同じ消防設備業の共和防災さんとは、以前は顔を知っている程度でした。それが今では、お互いの得意分野を活かし合いながら仕事を連携できる関係に。TECサービスさんの加入でさらに仕事の幅が広がりました。
平本社長はそう語ります。
呼称も「子会社」から「グループ会社」へ。
上下関係ではなく、同じ目線で支え合う仲間としての意識が育まれました。
グループ内で仕事を完結できる体制が整い、取引先や顧客に対する対応力も強化されました。
時間はかかりましたが、ようやく“つながり”が本当の意味で機能し始めたと思います
お客様にとって、頼れるグループであることが安心材料になる。ハリマグループの総合力が信頼につながっています

孤独にさせない会社へ。共奏する未来を目指して
現在のハリマビステムグループは、変化を恐れず挑戦を続けています。
新しい風はグループ各社にも広がり、経営層だけでなく社員同士のつながりも生まれています。
今後は社長同士だけでなく、社員同士の交流をもっと増やしたい。専門職も事務職も、同じ仲間として刺激を与え合いたいですね。
孤立せず、助け合える関係こそが強み。壁を取り払い、良いところを吸収し合えるグループにしていきたいです。
人材不足が深刻化する中、採用面でも協力し、人も仕事も取りこぼさない体制を築いていきたい。
そして、平本社長はこう結びます。
ハリマグループの“価値”“信頼”“安定性”は、私たちにとって最大の武器です。これからも切磋琢磨しながら、グループ全体でさらなる成長を目指していきます。
おわりに
M&Aとは、企業を「買う・売る」ことではなく、「想いをつなぐ」こと。
ハリマビステムグループの歩みは、異なる文化を持つ企業同士が互いを尊重し、補い合いながら新たな価値を生み出してきました。
これからも「管理ではなく協働」「競争ではなく共奏」の精神で、グループ全体として信頼と成長の未来を築いていきます。
