前職では電気工事やマンション建設の付帯工事に携わり、現場管理の経験を積んできました。充実した日々でしたが業務量やプレッシャー、けがをする危険も多かったことから、結婚をきっかけに将来の働き方を考えるようになりました。そんな中、官公庁の改修プロジェクトの建設段階で、管理システムがゼロから構築されていく様子を目の当りにし、人の手で作り人の手で管理していく仕事の面白さを知りました。
施工だけでなく建物管理全体を学びたいという思いが強くなってきた矢先、縁があってハリマビステムに出会いました。建設業と密接な公共施設の維持管理に関われることは、私の歩んできた道が一本に繋がるような思いがして、胸が躍ったのを覚えています。
今は、入社前に思い描いた通り、仕事も家庭も充実しています。責任のある仕事ですので帰りが遅くなる日もありますが、皿洗いと洗濯物は私の役割。最近はこどもたちが手伝ってくれるようになって嬉しいですね。守るべき家庭があることが、私の原動力になっています。
入社して良かったと感じるのは、若い社員や前向きな設備エンジニアをフォローアップする取り組みがある点です。人も現場も仕事も多様であるがゆえの情報共有の難しさもありますので、声を掛け合い、寄り添う姿勢が会社だけでなく、ひとりひとりに求められていると感じます。
一方で、複数の現場を経験して感じたのは、「待ちの姿勢の人が多い」こと。業界全体の特徴でもありますが、指示を待っていることが仕事、指示は上司がするものという風潮は、本当に勿体ないと感じている部分です。貪欲さが当たり前のような他業界や他社を知っている中途入社の身としてはもどかしさもありましたが、同じような危機感を持っている先輩や同僚と出会えたことが心の支えになっています。会社を、現場を、仕事を進化させていくのは、そういう「ビルメンテナンス業界らしくない人」ではないでしょうか。
とある官公庁施設の統括をしていたとき、小さなヒューマンエラーがきっかけで大きな損害を発生させてしまったことがあります。本部が一丸となりリカバリーに努め、チームワークで乗り越えましたが、お客様の財産を扱う責任の重さをあらためて痛感した出来事です。
設備エンジニアの業務の全てを突き詰めるには限界がありますが、1個の取りこぼしによって取り返せないものもあります。管理するのが官公庁施設であれば当然、市民の方々への責任も負う事になります。その責任の恐さを知るのも勉強です。
心がけたいのは、フォローしてくれる環境と人の優しさに甘んじず、現場で起こる全てを自分事として捉えて主体的に行動すること。周囲の言葉を糧としていく姿勢を持ち続けること。AI技術が急速に発展する昨今、設備エンジニアという「人」が対応する価値を提供し続けるためには、私たちも日々勉強・日々精進しなければなりません。
「いつ辞めてもいい」と思えるくらい、日々の仕事をやりきっている自負があります。今日に全力で打ち込める人が、明日に挑戦する切符を得られる、そう思うからです。
別業界からの転職ですが、建設の知識や図面の読み方、各社の事情を踏まえた交渉など、広い視点で物事を捉えられるようになりました。さらに、技術面だけでなく、伝え方や見せ方を俯瞰で意識するようになったのは、この会社で得られた大きな学びです。「人と話すことでしか得られない気づきがある」と実感してからは、誤解を生まない表現を日頃から心掛け、コミュニケーションを止めてしまわないように気を付けています。元々考えながら喋るタイプなので、毎日メモを取ったり文章にすることでも頭の中が整理されますね。そのせいか「阿部さんはメールと本人とのギャップに驚く」とよく言われます(笑)。
「わからない」と言い出せない社員が多いのは、惜しい!と感じています。最初はわからない部分を残したまま始めてみて、トライアンドエラーを繰り返して「わかった」にたどり着けばいいんです。その体力が当社にはあるのですから。また社内には挑戦を後押しする風土もあるので、もっと気楽に「やってみよう」と言える雰囲気が広がっていけば、さらに活力のある会社になると思います。
ビルメンテナンス業界自体が、あまり変化や動きのない業界です。だからこそ、新しく任される仕事や責任にも怯まず、どんどん挑戦していく人が増えてほしいと願っています。
小さなことでも「わかった!」という成功体験を一緒に積み、それを楽しめる人と働きたいですね。わからないことを素直に口に出せる人なら成長できる環境だと思います。逆に言えば、最初から完璧を求めたり、システマティックにやろうとする人にとっては、アナログすぎる会社かもしれません。
永遠に学び続けられるというのが、設備エンジニアが他の職種とは大きく異なる点です。最新の技術や機器に触れ、自らの知識とスキルをアップデートし続けることを「楽しい」と思えるか、「面倒」と感じるか。そこが設備エンジニアとして活躍し続けられるかどうかの最大の分岐点だと思います。
この仕事は、1つの行動や判断が施設全体に大きな影響を与える可能性があります。その重みを理解しながらも、前向きに挑戦できる人と一緒に働けるのを楽しみにしています。