いくつかの会社を経て、変電所の超高圧設備更新や、大型ビルのスプリンクラー工事、施工管理などを経験しました。電気や消防など幅広い分野を担当し、それなりに設備系の資格も取得していましたので、電気設備・消防設備を広く汎用的に応用できる仕事に興味を持ち始めた頃、ハリマビステムに出会いました。
前職では長時間労働が常態化し、体力的にも精神的にも負担が大きかったことから、ビルメンテナンスという比較的落ち着いた環境で安定して働ける業界への期待もありました。また建設から管理へと視野を広げられる事業内容に魅力を感じ、入社を決めました。
世間一般的に「比較的業務が楽」と謳われているビルメンテナンス業界なのであまり気構えずに入社しましたが、それが最大の勘違いだったんです。それもそのはず、私が所属する東京本部の仕事は「ビルマネジメント」であり、施工管理に近いスピード感と業務量、そして処理能力が求められるのです。なるほど、それは忙しいわけです(笑)。
特に驚いたのが、建物トラブルの多さです。前職では1日20件程度だった社内外の連絡が、今ではメールだけで1日100〜300件ほど届きます。管理物件数も東京本部だけで1,200件以上あり、見積受領・報告書作成・点検確認などの仕事がひっきりなしに舞い込みます。中には1物件の複数階で別々の不具合が起きるなんてことも。「ビルはこんなにも絶え間なく不具合が起きるものなのか」と衝撃を受けましたね。
異業種からの転職で、これまで経験のない空調・熱源設備を担当することになり、最初は右も左も分からない状態でした。第三種冷凍機械責任者の資格を取得してから徐々に理解が進み、今では協力会社の説明を咀嚼して相手に分かりやすく伝えられるようになりました。今年は第一種冷凍機械責任者にも挑戦予定です。現状に満足せず更なる専門性の高みに向けて、勉強をし続けていきます。
入社当初に出会った先輩たちは、本当に圧倒的でした。エンジニアリング部は「給排水」「空調熱源」「電気」「機械駐・ELV・建築」等、分野ごとに主担当を抱えています。担当外の業務はそこまで……という人が多い中、専門分野を超えてトラブルに即応できる彼らの統率力やリカバリー力はまさに「怪物級」。今まで出会ったことがないタイプの圧倒的なカリスマ・スーパーマン達を心から尊敬する一方で、「ここまでできないとハリマビステムの上には行けないのか」という道のりの遠さに衝撃を受けつつ、プレッシャーも楽しんでいる日々です。
終日外出していたり夜間作業明けが重なったりで、気付けば未読メールが500件超え。丸一日メール処理に追われることも少なくありません。
そのため、とにかく数をこなす習慣を大切にしています。持論ですが、人間を成長させるのは「1つの質よりも、圧倒的な数」だと考えています。文句を言ってもメールや仕事は減りませんし、誰かが代わりにやってくれるわけでもありません。勿論、中には今の実力を超えた難しい案件もありますが、自分でやりきることで力になります。
私自身、マルチタスクが得意ではありませんし、キャパシティも大きい方ではありません。だからこそ、一見すると地味な作業でも、凄まじい数のシングルタスクを積み上げることで処理能力や知識の幅が広がるのです。不得意や苦手から逃げず、どう補うかを考えて実行し、自分の力に変換することが大切だと感じます。
社員には責任感が強く、誠実な人が多いですが、中にはこだわりが強い人も。多種多様な能力が切磋琢磨し合うことが、妥協せず良いものを作る姿勢に繋がっている面もありますので、こうした個性が活躍できるのもこの会社らしさだと思います。
当社での一番の学びは「人に頼られる存在には、重みと責任がある」ということです。社内や顧客からの問いに答えるとき、どんなに気軽な質問でも回答する側には責任があります。誠実で正確、かつ迅速に答え続けることが信頼につながる。一人のスペシャリストとして、その姿勢を維持することが必要だと学びました。
前職では自分の責任感だけを武器に全力疾走していましたが、後輩への技術継承にも力を入れるようになった今は、個人ではなくチームとして成長する大切さを実感しています。
前職も含め、インフラに携わる仕事に長く就いてきました。設備保守という仕事は一見すると地味ですが、建物を利用する方々の「快適」と「安心」を支える大切な役割があります。ただ機械に向き合うだけでなく、「人のために働く」という気持ちのある方にとってやりがいを感じる仕事だと感じます。
技術は入社後に学べますが、大切なのは誠実さと責任感、そして新しいことを学び続ける姿勢です。一概に設備といっても、今はIoT技術、AI技術を活用した設備もありますので、好奇心を持って学び続けられる人にとっては楽しいですよ。常に自分の知識をアップデートできていれば、後輩や仲間からも尊敬される存在になれるはずです。一緒に頑張りましょう!