高校では剣道部で、毎日の厳しい稽古で体力が付くとともに、上下関係も叩き込まれました。一転して大学ではアルバイトと飲み会中心の生活を送り、3・4年時は学生団体に所属して著名な活動家の方をお招きした講演会などを開催しました。企画から集客、資金計画まで学生だけで設計できたのはとても良い経験になりましたが、同時にお金が動くビジネス世界の厳しさも知りました。
就職活動では「地に足のついた仕事」を軸に検討していたところ、ストック産業で安定感があり、堅実さを活かせるビルメンテナンス業界に興味を持ちました。文系は漫然と営業職の選択肢が多くなりがちですが、ハリマビステムを知って「ルート営業なら自分にもできるかも」「派手さはなくてもコツコツ積み上げるところが自分に合っているのでは」と感じ、入社を決めました。
入社前は「機械的で固い仕事」というイメージでしたが、実際は「人間味のあるサービス業」でした。業務面では泥臭いことも多いです。困って連絡をくださるお客様に対して、時に感情の揺れも含めて寄り添います。新人の頃は相手の気持ちを汲み取れず、自分本位な対応でお叱りを受けたことも。今は「お客様の立場で考える」を徹底しています。
現在所属している営業企画部では、新規物件獲得に向けての見積を一から組み立てます。ヒアリングと仮説で整合をとりつつ、後々のトラブル未然防止のために妥協しない姿勢と集中力が求められます。部署全体で年間1,000件超の積算を行うなど、なかなかハードですが風通しの良い職場で、わからないことはすぐ相談できるのが良いところですね。ロボットやDXの現場運用にも挑戦中で、地道な取り組みと改善を続けています。
入社3年目の頃、担当物件で空調のドレン詰まりから大規模な漏水トラブルが発生したことがあります。なかなか原因が特定できず、入居テナントが業務を停止する事態に。復旧作業、お客様への説明、再発防止策の立案…とひっきりなしに対応に追われ、精神的にも追い詰められて1週間ほぼ不眠になった時期があり、本当に辛かったです。
それでも先輩や同僚が自分の業務を肩代わりし、現場にも同行するなど奔走してくれ、やっとの思いで事態の収束に至りました。後輩もでき、一通りの業務をこなせるようになったと自信を持ち始めていた矢先の出来事でした。己の無力さに打ちひしがれると共に、「チームでしか越えられない壁がある」と痛感した出来事です。
それ以来後輩たちにも、多少お節介でもトラブルになる前に手を差し伸べることを自分の流儀にしています。
事業部でマネージャーをしていた当時、現場で出会った巡回設備員の方の言葉が、私の仕事に対する姿勢を大きく変えました。
他社で管理職を勤め上げたのちに当社に入社された明るく頼れる方で、まだ新人だった私の悩み相談にもよく応じていただいていました。ある日、お客様との直接の対応も多いこの仕事が辛いことはないのかと伺ったところ、「お客様は困っているから助けを求めているんだよ。それが解決できた時、『ありがとう』と言ってもらえるのが嬉しい。だから現場が好きなんだ」と笑って言われたんです。
現場もマネージャーも、向いている方向は同じ。そして困っているお客様に寄り添えるのは担当である私だけなのだと腹落ちしてからは、仕事への誇りと責任感が芽生えました。
その方はもう天国に旅立ってしまいましたが、今もその言葉は私の仕事観の芯として残っています。もしまた会うことができたなら、「あなたと一緒に仕事ができたから、あなたの言葉を胸に、今もこの場所で頑張れていますよ」と笑って伝えたいです。
学生時代の私は「有言不実行」。自分との約束を守れず、自己肯定感も低めでした。社会人になってからは目標管理と評価が毎年セットで付いて回り、宣言した以上はやり切る責任が生まれます。小さな「有言実行」を積み重ねるうちに自信がつき、今の部署では期日厳守・引継ぎ徹底を自分に課しています。
積算という仕事はいわゆる裏方ですが、見積や資料を構造化して、美しく仕上げるのがやりがいです。営業担当と支え合い、受託に貢献できたときには達成感もあります。積算が止まれば営業が止まり、会社全体の成長が止まります。利益と成長の最前線を支えているというアイデンティティが、日々の仕事の張り合いになっています。
社内には、真面目でお節介な社員が多いです。自己表現が得意ではなくあまり目立たないけれど、誰かが困っていると居ても立っても居られなくなり、自分の仕事そっちのけで仲間の救出活動を始めてしまう人ばかりです(笑)。そのため、自分自身のSOSを出すことは苦手な印象です。みんなもっと気軽に「手伝ってください!」と言えれば、チーム力はさらに上がると思います。
「できない理由」を並べるのではなく、「どうすればできるか」を一緒に考えられる人と働きたいです。最初は非現実的な、突拍子もないアイデアでもいいんです。みんなで代替案や近似解を出して議論し尽くし、やる/やらないを決めればいい。その過程を苦に感じず、仲間と試行錯誤しながら作り上げられる人が仕事を楽しめると思います。
若い方なら、挑戦に前向きな人がいいですね。できないことをできないと言うのはたしかに大事ですが、そこで終わってしまえば旧態依然のままです。一度挑戦したら最後までやり切る覚悟で周囲を巻き込み、建設的に前へ前へと進めていく、そういう情熱を持った人を待っています!